こんにちは、中尾です。
いきなりですが、質問です。日本人が日付を書くとき、「2020年6月20日」と、年・月・日の順で書くのに、なぜドイツ人(を含む欧米人)は「20. 06. 2020」と、順番が逆なのでしょうか?また、名前も、日本人なら「中尾弘太郎」と書くのに、なぜドイツ人は「Kotaro Nakao」と逆?
そこには、日本人と欧米人の間に見られる、思考パターンの違いが関係しています。結論からいうと、日本人は『包括的思考』を基準とするのに対し、欧米人は『特定的思考』をベースとしています。
包括的思考の特徴としては、下記が挙げられます:
① 中心的人物/事柄と、その背景の両方に注意を向け、全体の調和を図る。
② 考え事をする際、マクロからミクロへと思考する。
冒頭の「日付」や「名前」は包括的思考、とりわけ『マクロ→ミクロ思考』の好例ではないでしょうか。
包括的思考が日本人の間で主流となった理由としては、「相互のつながりや関わり合いを重視する」、また、「様々な要素が互いに影響を与えながら宇宙の調和が保たれている」といった中国の宗教や哲学に、日本が影響を受けたことが挙げられます。また、島国である日本では、「自分達で何とかしないといけない、そのためには周囲と共存しなくてはならない」というマインドが働き、それが包括的思考に発展したともいえるかもしれません。
思考パターンの違いは、教育やビジネスの場に様々な影響を及ぼしています。次回は、そういった影響について考えたいと思います。