企業の方々と意見交換させていただく際、次のようなコメントをよく耳にします:
「弊社は国外関連取引に従事しているけど、取引規模が小さく、万が一税務調査で更正を受けたとしてもインパクトは限定的と思われるため、移転価格をそこまで気にする必要はない。」
この考え方はとても危険であると言わざるを得ません。
ドイツには、「健全かつ善良な経営者(Ordentlicher und gewissenhafter Geschäftsführer)」という考え方が存在します。
「健全かつ善良な経営者であれば、会社が国外関連取引に従事している場合、第三者間取引と同様に取引条件を決めるだろう」と見なされます。
なので、国外関連取引が一度でも税務当局により疑問視されると、「この会社はコンプライアンス上の問題あり」とされ、将来年度にも悪影響を及ぼす可能性があるのです。