こんにちは、中尾です。
ドイツ連邦政府による『新型コロナウィルス包括的対策パッケージ』については、別のブログで既に述べたとおりですが、今日はその一部をなす『コロナ特別支援金』について情報共有させていただきます。
『コロナ特別支援金』は、連邦政府が主導する支援プログラムに含まれる方策の一つです。実際の運営は、連邦政府から委託を受けた各州が担っています。
対象者は①自営業者(医師、弁護士など)、②フリーランサー、および③従業員数10人までの小規模企業です。支給額は、①従業員数が5人までの場合は最大9,000ユーロで、②従業員数が10人までの場合は最大15,000ユーロです。支援金は1回のみ支払われます。
支給金は、家賃やリース費用等のランニングコストを賄うのが目的であり、利益を補填するものではありません。
申請者は、向こう3ヶ月に必要とする経費をベースに申請する必要があります。例えば、15,000ユーロ分の支援金を受け取ったものの、向こう3ヶ月の経費がそれを下回った場合、申請者は差額を返金する必要があります。申請者が必要以上の支援金を受け取ったか否かは、後の税務調査において判明することとなります。
支援金は返金する必要はありませんが、所得税、法人税上の課税所得として申告する必要があります。
申請はオンラインでのみ可能です。各州の申請フォームは、以下のリンクからアクセスすることができます:
https://www.bmwi.de/Redaktion/DE/Artikel/Wirtschaft/laender-soforthilfen.html
申請には以下の情報が必要となります:
― 会社名、登記番号、登記所、納税者番号
― 会社住所、電話番号、メールアドレス
― 会社の銀行口座情報(銀行名、口座名義人、IBAN、BIC)
― 業種、従業員数
― 申請金額
― 代表者氏名、代表者の旅券番号、納税者ID番号
申請すると、一旦ウェイティングリストに載ります。同リストにメールアドレスを入力することによって、自分の番になった際に通知してもらうことが可能です。オンライン申請書は35分間のみ入力可能であるため、上記情報を事前に準備しておくことを推奨します。
申請期限は2020年5月31日です。
なお、上記連邦レベルによる支援のほか、州レベルによる支援プログラムが用意されている場合もあり、両方に申請することは原則的に可能です。但し、上述したとおり、それが過剰支給につながる場合、申請者は過剰分を返金する必要があります。